John Pellowe氏のインタビュー
デンマーク、コペンハーゲン大学医療トレーニングセンター『Maersk Building』で、Constellationを使用した音響改善について
John Pellowe氏のインタビュー
デンマーク、コペンハーゲン大学医療トレーニングセンター『Maersk Building』で、Constellationを使用した音響改善について
John Pellowe
Constellation プロジェクトディレクター
クラシック音楽のレコーディングエンジニアとして、また、三大テノールのワールドツアーやパヴァロッティのワールドツアー等で技術監督を務めるなど、数々のサウンドキャリアを活かし、2006年よりMeyerSoundに参加
"Maersk Building"にコンステレーションが採用された経緯について教えてください
Pellowe氏: "Maersk Building"はヨーロッパで最も環境にやさしく、高度な医療トレーニングセンターとして設計されています。それはMaersk財団のスポンサードのおかげで、妥協のないプロジェクトとなりました。
コンステレーションを130席の講堂と、500人を超える講堂など3か所に収め、最先端の学習環境が用意されています。
この設備で使用されているコンステレーションの最大の特徴は何ですか?
Pellowe氏: 大学の一部の講堂にはPAシステムがあり、そこでは従来ように講師がマイクを使って講義しています、しかしそれは『一方向のコミュニケーション』であり、人が話しているのを聞いているだけとなります、小さな部屋ではこれで問題ないと言えるかもしれませんが、ルームサイズが大きくなるにつれて音の差が広がり、講師と学生の間に発言に関しての格差が開いてしまいます。スペースが大きければ大きいほど、誰もが理解できる、双方向の会話は難しくなります。
まず第一に、大きな講堂で講師がマイクを持たなくても講義ができる環境を作る事でした。 そのためには講師はピンマイクをつけたり、演台に取り付けられたマイクの前でずっとしゃべり続けなくてはなりません。 第二に、学生の質疑や議論の際に、部屋にいる誰もが話を聴くことが出来る環境を作る事です。
その両方を解決するために、コンステレーション音声リフトシステムを使用しているのです。
まず、『プレゼンテーションモード』では講壇側で発言する声を優先しルーム内で自然に聞こえるよう講師をサポートします。その時に座席側で発言があったとしても講壇側には自然に音声が届くように設定されています。
そして、学生から質問があった場合にはタッチパネルで瞬時に『Q&A』モードに切り替わります、これにより講壇側に多少の優先権を持たせた状態で、学生と講師の会話がどの席でも自然と聞くことができるのです。
これらはルームサイズが大きくなればなるほど難しくなり、500人もの講堂では非常に高度なシステムになりますが、この要求に応えられたことを私たちは誇りに思っています。
コンステレーションシステムをビデオ再生等にも使えますか?
Pellowe氏: はい、ビデオ再生の音はどのモードでも組み込むことができます。
部屋の前にスピーカーを設置して音像をスクリーン側に固定していますが、コンステレーションシステム全体に再生音が組み込まれているので、より没入感のあるサウンドが得られます。
明瞭度の為のコンステレーションは、音楽の為のコンステレーションとどう違うのですか?
Pellowe氏: 音楽の為のシステムは会場の残響を補強するように設定されています、収音マイクは観客の上に置かれ、会場に反響として返される間接音を捉え、増幅を加えることでコンステレーションは残響の強さ、長さを増やします。 逆に舞台上の収音マイクは初期反射システムを利用して会場全体に分散された演奏者のサウンドを取り込み、明瞭度と親密感を追加します、これには残響時間を増加させません。
明瞭度の為のシステムは残響を増やすことは無く、代わりに初期音の分布を優先しています、音声リフト用の収音マイクは一般的に人の近くに置かれ、部屋自体の特性は音楽会場よりも物理的な残響音の短い事が必要です。
それは通常の分散型PAと何が違うのでしょうか?
Pellowe: コンステレーション ボイスリフトシステムはつねにナチュラルなイメージングを維持しながら明瞭度向上させます。この音はリスナー近くのスピーカーからではなく、ちゃんと話した人の方向から来るように感じるように設定されます。
十分なゲインを確保し、500人の収容の誇るアトリウムで位置に関わらず会話の声が完璧なタイミングになる為に、288あるミックスバスをフルに近く使いました。また、ボイスリフトシステムは、密度の高いマイク設置と非常に高度な調整を必要とします。